タンパク質が不足している人が多いです。
産後の骨盤矯正コースで当院にご来院されるママさん達に育児のお話を聞くと、下記のようなお話を聞くことが多くあります。
・抱っこの時間が長い
・おむつ交換が大変
・授乳が多い
・睡眠時間がとれない
・ずっと気を張り詰めていて休む暇がない
しかし、ここに挙げたものもほんの一握り。
実際は多くのママさんが様々なお悩みに直面していることと思います。
当院では上記のような理由で心身ともにお疲れなママさんに対して、(もちろん他の症状でご来院の患者様にも)根本的な身体の回復の為に栄養のお話をすることがあります。
しかし、忙しさやストレスからか、まだまだ栄養不足の方が多い印象です。
「普段どんなものを食べていますか?」という質問に対して「うどん・パスタ・パン・おにぎり」はとてもよく登場してくる返答です。
更には「お菓子」や「ジュース」という言葉もよく登場してきます。
みなさんがお話しする際に少し罪悪感がありそうなのも伝わってきます(笑)
何となく栄養が大事なのは分かっている。
ですが現実として食事がおろそかになる理由はなぜでしょうか。
それは忙しさだけではなく「今抱えている不調=栄養不足が影響している!」というイメージがつかないというのが大きいのではないでしょうか?
「これを食べると身体はこうなる」という認識が無ければ、とりあえず目につくもの、食べたいものを食べてしまうと思います。
でも一度考えてみてください。
はたしてそういった食事は健康的でしょうか?
近年では様々な研究から、栄養素の働きと身体の機能や健康との関係が明らかになってきました。
つまり栄養素について知ることは、日々の健康を保つことや、あるいは病気の治療、回復のために役立つということです。
今回のブログでは「慢性的に心と身体が休まらない」という方へ、食事という観点から「タンパク質」という栄養にテーマを絞って、その重要性ついて述べたいと思います。
【そもそもタンパク質ってなに?】
タンパク質は、体を構成する重要な栄養素で、三大栄養素のひとつです。
20種類のアミノ酸が集まってできています。
※三大栄養素→(糖質・脂質・タンパク質)
私たち人間の身体の60%は水でできています。
タンパク質は残りの40%のうちの約半分である20%程度を構成しています。
タンパク質といえば筋肉のイメージが強いと思いますが
下記の作用もタンパク質の働きで行われています。
・皮膚、毛髪、爪をつくる
・骨、歯、筋肉をつくる
・内臓(肝臓、胃腸など)をつくる
・血管をつくる
・血液をつくる
・酵素をつくる
・ホルモンをつくる
・抗体、免疫物質をつくる
これらをみてみると、どんな人でも健康で元気に生きるためにはタンパク質をしっかり摂った方がよさそうだな!
ということがご理解いただけると思います。
【タンパク質の詳しい働き】
前述にてタンパク質の役割を挙げましたので、ここではさらに詳しく働きを解説していきます。
☆身体のメイン素材☆
私たちの肌、爪、髪はすべてタンパク質からできています。
そしてストレスに対抗するのも、心の健康もすべてタンパク質が源です。
身体の中をめぐる血管、流れる血液これらの状態が良いほど私達は元気になります。
外側だけではない、内側からの美しさにはタンパク質は欠かせません。
☆精神の安定☆
我々の精神の安定をはかるためにタンパク質が材料となって心の素(神経伝達物質)がつくられています。
リラックスするために必要なセロトニンやGABA
意欲や集中力をつかさどるドーパミン
だるくてやる気が起きない、すぐにイライラしてしまう、休んでも休んだ気がしない。
こういった症状はタンパク質不足を疑うポイントです。
☆お薬を運ぶ☆
病気のときにお薬を飲む方もいらっしゃるとおもいます。
この薬はアルブミンというタンパク質にくっついて体内を移動します。
このとき十分なアルブミンがなければ、血液の中でフラフラする薬の割合が増えてしまいます。
薬を有効に利用するためにも、タンパク質をしっかり摂っておくことが重要になります。
☆免疫力アップ☆
タンパク質は免疫力を高めます。
例えば免疫対策としてインフルエンザなどの予防接種をすると、からだの中に「抗体」とよばれるタンパク質ができます。
この抗体が、これから侵入してくるウイルスと闘ってくれるのです。
しかし、このとき材料となる十分なタンパク質がからだの中にないと抗体が作れません。
【タンパク質が不足するとどうなる?】
今度はタンパク質が不足している状態について説明します。
下記はタンパク質が不足した状態での身体に与える影響の一例です。
・皮膚の美しさ、髪のしなやかさがなくなる
・骨や歯がもろくなる
・筋肉が弱くなる(回復しにくくなる)
・内臓が衰え、弱くなる
・血管がもろくなる(高血圧、脳卒中リスクアップ)
・貧血になる
・代謝が悪くなる
・痩せにくく太りやすくなる
・疲れやすくなる
・風邪をひきやすくなる
・むくみやすくなる
・無意識に甘いものを食べたくなる
・イライラする、うつなどの精神的な不調が起こりやすくなる
・ぼーっとする
・子供の成長に悪影響がでる(身長が伸びにくい、運動能力低下、)
・高齢者の筋力低下、骨粗しょう症、認知症などのリスクが高まる
いかがでしょうか?
皆様にも当てはまる症状があるのではないでしょうか?
特にお子様がいる方は要注意です。
大人は子供に比べまだ自制心がありますが、身も心も発達途中の子供では我慢や自己管理が出来ません。
じっと座っていられない、集中力がない、食事に好き嫌いがあって甘いものばかり食べようとする。
こういった行動を「子供だから…」で済ませていいものでしょうか?
何を食べさせるかは保護者からの影響を強く受けるものです。
心身ともに健やかな成長を見守るためにも子供のたんぱく質不足には大きな注意が必要です。
子供のころの食生活は先々まで影響が出てくるものです。
食育という観点も持ちながら食事内容を決めていきましょう。
不足症状はまだまだたくさんあるので、書き出せばキリが無いのですが、タンパク質不足は皆さんが考えている以上に不調の要因となることをご理解ください。
【タンパク質ってどのくらい摂ったらいいの?】
まずは下の表をご覧ください。
これは厚生労働省が定めた年齢別のタンパク質摂取基準表です。
大人であれば男性で65g、女性で50gと推奨量が定められています。
授乳婦は更に+20g追加しましょうということも示されています。
【厚生労働省】日本の食事摂取基準2020年版
※https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
【当院がおススメする摂取量について】
当院では皆様に体重x1gのタンパク質を摂ることを基準にしています。
症状の改善を図りたい場合は基準より多めの体重×1.5gを推奨しています。
※体重50kgの人の摂取目安
50kg × 1g = 50g(健康維持のためのノルマ)
50kg ×1.5g = 75g(症状改善に向けた必要量)
「健康維持」と「症状改善」ではそれぞれ目安が異なります。
すでに不調を抱えている場合はお身体の色々なところでタンパク質不足症状がおこっているため、健康維持量では全然足りません。
当然ながら症状改善の為には栄養を多く摂取する必要があります。
妊娠中、授乳中のママさんや、長年不足していた方は意識を改めていきましょう。
【摂れているようで、実は摂れていない】
「お肉や納豆、お豆腐を毎日食べています!」というお言葉も頂きます。
とても素晴らしいことですが、その量が「自分にとって十分な量かどうか」をしっかりとチェックする必要があります。
お肉を100g食べたら100gタンパク質摂取ではありません。
下の表は各種食材に含まれるタンパク質量です。
1つの食材を多く食べるのではなくバランスを考えてまんべんなく食事ができることが理想的です。
【タンパク質を摂取する目安表】
納豆1パック | 7g | ヨーグルト(100g) | 4g | 鶏肉(100g) | 21g |
鳥のささみ1本(50g) | 10g | 牛乳コップ1杯(150ml) | 5g | 豆乳コップ1杯(150ml) | 6g |
木綿とうふ1丁(300g) | 20g | 細めのちくわ1本(30g) | 4g | 6Pチーズ 1個 | 4g |
鶏卵 1個 | 6g | 牛肉ヒレ赤身(100g) | 21g | 豚バラ(100g) | 14g |
サケの切り身(70g) | 18g | アジ1尾(70g) | 14g | めんたいこ1本(25g) | 11g |
例えば体重が50kgの女性が「健康維持」の為に鳥のささみで1日分のタンパク質を補おうと思ったら50gが必要で、鶏卵では約8個を必要とします。
これらの量は上記で述べた「健康維持量」であるので、身体の回復をさせたい人は更に食べなければいけません。
イメージをしてみるといかがでしょうか?
毎日しっかり摂取できるかを振り返っていただけると「気をつけているつもりだったけれど意外と摂れていなかった」という方もいらっしゃるかもしれません。
【タンパク質これからいっぱい食べなきゃ!な人に注意】
タンパク質を摂る食材としてイメージしやすいお肉ですが、いきなり食べすぎは禁物です。
お肉は消化に時間がかかる食品ですので、大量に食べると胃もたれや便秘、下痢など腸内環境の悪化を招いてしまうかもしれません。
特に夕食でのお肉の食べすぎには気をつけましょう。
植物性のタンパク質が摂れるように大豆製品を増やしたり、プロテインなどで手軽に吸収できるようにすることも一つの手段です。
1日に何度か食べる食事の中でまんべんなくタンパク質が摂れるように意識をしていきましょう!
【タンパク質を摂りすぎるとどうなるの?】
「タンパク質をたくさん食べると腎臓に負担がかかる。」こんなことを心配される方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、現時点では健康な成人がタンパク質を摂りすぎることによる健康障害を示す十分な報告は見当たりません。
ただし、さまざまな報告から、成人は年齢にかかわらず体重x2gにとどめるのが適当であるということがいわれています(日本人の食事摂取基準2010年版より)
※すでに腎臓の病気などをお持ちの方は、医師のもとで適切な管理を行うことをおすすめいたします。
【まとめ】
ここまでお読みくださってありがとうございます。
伊集院整骨院グループの伊集院と申します。
私自身がここ数年間、体質改善の為に栄養を意識して食事をしてきた中で得た学びは「私たちの身体は食べたものからつくられている」
というシンプルな考え方です。
みなさんも何となくご理解いただいていることかもしれません。
お顔に肌荒れができれば「ビタミンのサプリメント」を飲むという方がいらっしゃいます。
それは肌荒れを改善するためにビタミンが必要だと理解をしているからだと思います。
今回私はタンパク質について記事を書かせていただきました。
私がみなさんにお伝えしたいことは
「体の調子が何となく悪いな」と感じたら
「健康状態を良くしたいと思っているけれど何をしたらいいかわからない」
という方にはぜひとも「タンパク質を摂取してほしい」ということです。
水を除けば身体を構成する要素として最も高い割合を持っていますので症状の改善にきっと役立ってくれると思います。
しかし上記で述べた通りタンパク質を適量摂取するのは大変と感じる方もいると思います。
そんな時は「タンパク質のサプリメント」=「プロテイン」を活用するのも一つの手段です。
プロテインドリンクは筋トレをしている人専用ではありません。
タンパク質不足を補いたい方のサプリメントドリンクです。
当院では体成分分析装置(InBody)を導入しており、患者様の内面分析を測定することができます。
適切な食事指導のご提案ができるようスタッフ全員が栄養学を学んでおります。
何かご不明な点やご質問がありましたら遠慮なくご相談ください。
皆様のお身体の状態改善にお力になれるよう頑張ります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
さっそく今日からタンパク質を上手に生活に取り入れ、カラダの不調を改善していきましょう!